脳科学からの子育て
以前から脳科学に興味があり、中野信子さんの本やラジオなどよく聞いていました。脳の仕組みやホルモン物質などを知ると、なぜこんな風に感じてしまうのか、そう考えてしまうのか、すごく理にかなっていて納得してしまう事が多く、私にとってはこの知識を得ることで、痛快さを感じてしまいます。
この脳科学という視点から子育てを考えていく事は、今後どんどん進化していくのではないかと言われています。
まずはこちらの本から読み解いていきたいと思います。
永江誠治さん著の本です。結構厚い本になります。
気になったポイントだけを書いていきますので、
もし興味がありましたら、この本を読んでみてくださいね。
- 1. 単純計算と文章題では使っている脳の部位が違う
- 2. 脳は危機を感じると学習効率がアップする
- 3. 音読は脳の70%の活動を促す
- 4.本と漫画ではどう違うの?
⚪️単純計算と文章題では使っている脳の部位が違う
公文や100マス計算のような単純計算、とても良いと言われていますよね。この単純計算は脳のいろいろな部位が平行して活動していることがわかっています。足し算、引き算、掛け算などの計算は脳全体が機能しやすい状態になっていると考えられます。
複雑な計算や文章題を解いている時は、左脳の前頭連合野を中心に活動が起こっていました。なのでこの二つは脳の活動する領域が異なっています。
なので単純計算をある程度やっておいて多くの領域を活性化させ、その後で取り組むより高度な算数、数学の学習によりよい効果を及ぼすと考えられていていました。
しかし、逆の結果ももたらされるという見解もあるのです。単純計算による脳の広い領域を活性化した後で複雑な問題を解き始めると、すでに活動している脳領域と左脳の前頭連合野の間に干渉が起きて複雑な問題の遂行が妨げられる可能性が考えられるというのです。(でも東大出の方って公文出身者が多いですよね...)
公文をやっているうちの子供達の様子を見ていると、単純計算をする事で集中力が身につき、長い時間座って勉強出来るようになったと思います。つまり忍耐力がついた事になるのでしょうね。これは脳科学とは別分野かな...笑
⚪️脳は危機を感じると学習効率がアップする
心身があまりにも満足した状態では、本能的活動を調節する大脳辺縁系の活動も緩くなり、学力が鈍ります。むしろ適度な不足感があった方が、集中力も高まり効率的な学習ができるものです。部屋が暖かすぎたり、お腹がいっぱいで満足していると学習意欲が高まりません。学校から帰ってきて夕食までの空腹の時間にその日の宿題や復習をやったり、部屋を少し寒いぐらいにした方が扁桃体が活発に働いて、集中力も意欲も高まります。夕食後の時間はリラックス出来るテレビやゲームをして過ごす方が適しているのですね。夕方勉強が良さそうです!
これは余談ですが、「匂い」というのが脳にとても影響するらしく、ハーブなどの好きな香りのアロマスプレーを仕事や勉強の前に部屋に振り掛けると、やる気スイッチが入りやすいそうです。
⚪️音読は脳の70%の活動を促す
音読は脳の多くの領域が活動を始める効果があるそうです。大脳の70%の領域が活動するとも言われています。読む事にかかわって前頭葉のブローカ中枢や運動野が働きだし、側頭葉の視覚野も活性化します。さらに物を考える前頭連合野も活動が高まり、音読は黙読に比べると三倍ぐらい多く脳が働いているとする報告もあるそうです。そして子どもの記憶力と集中力を高めるのに効果があるそうで、是非とも毎日、出来るだけ多く音読させたいものですね。
⚪️本と漫画ではどう違うの?
本を読む事で脳の多くの領域が活性化されますが、漫画はどうなのでしょう?
読書は感性や知識を豊かにしてくれ、読解力や思考力をつけてくれるものとして、子どもの成長を促すところにより大きな意味があります。漫画も絵と共に文字も入っていますから、多くの脳の領域が働くと考えられます。しかし読書と比べると、前頭連合野の活動がほとんどみられないというのです。絵の占める割合が大きいために、自分でイメージなどの想像力を働かせたり、物語の流れを予想し組み立てるといった心的操作があまり必要ないので、脳が活性化するというよりは、脳を休ませるリラックス効果があるそうなんです。漫画を読みすぎると逆に脳がリラックスしすぎて、効率よく働かなくなると考えられます。
子どもの脳を刺激するには読書が圧勝ですね。
さらに本の内容を要約したり感想を文章にする事もとても良いそうですよ。
と、簡単にポイントをまとめてみました。
脳科学って本当に面白いです!!
こちら2007年出版本なので、今はもっと進化しているのかな?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
mino